2008年6月30日月曜日

Psycho Buildings



昨日も天気が良く少しずつ気温も上昇してきたが、相変わらず朝晩はかなり涼しい。どうやらイギリスにも花粉症が結構あるようで、日本より3か月程遅れて丁度この時期に起きているようだ。僕も始めは全然感じなかったが、風の強い日など何かの花粉に反応するらしくて目や鼻が何やらムズムズする。イギリス人も目がかなり涙目になっていたり、くしゃみなどしているのをよく見かける。

Hayward Galleryでの”PSYCHO BUILDINGS”というグループショウの展覧会を見に行った。直訳すると”精神異常者建築と”言うのか、副タイトルには”ARTISTS TAKE ON ARCHITECTURE”となっている。最近は時折見かけるコンセプトの展覧会だ。作品を主にインスタレーション、立体系のアーティストや挑戦的な建築家などに依頼して、その美術館の建築や空間などをテーマにして作品を制作展示するといった種のものだ。インターナショナルな10名ほどのアーティストによって屋上や建物の空間にいくつかの作品が設置されていた。屋上には水をはり観客がボートに乗れるものや、巨大なビニールの透明の球体の中に入るなど体験型の作品も多くちょっとしたアミューズメント感覚。日曜日だったせいもあり家族ずれやカップルには好評の展覧会だった。
http://www.haywardgallery.org.uk/

2008年6月27日金曜日

Tate Modern



最近は天気も良く街を歩くには丁度良い感じだ。これがロンドンの夏?なのだろうか。毎日夜9時半ぐらいまで明るく昼が長い。まあ、その分10月くらいからは逆に昼が短いのだろう。この時期は皆さんパブなどがかなり盛り上がっていてアフターファイブともなると街はビール片手にビジネスマンもパブにひしめいている。夏といってもかなり日本と違い気温は20~28度くらいだろうか?だいたい毎日10月の中旬くらいの陽気だ。日差しは強いが気温や湿度はかなり低い・・上着をいつも来ていて丁度良い感じだ。
昨日はTate ModernでのCy Twombly ”Cycles and Seasons” 展を見に行った。先日から始まっていてかなり気になっていた。学生の頃から良く知っているアーティストだが久しぶりにまとまって作品を鑑賞した。今回は最近作と同時に過去の作品も年代順に部屋毎にうまく展示されていて大型の主要なペインティングといくつかの彫刻作品を沢山見ることが出来てかなり満足。本当に天才だと思う・・・・彼の作品を見ているとまさに時間を忘れ現代美術とも解放される。ドローイング、絵画といった根源的なテーマもどうでもよくなる感じだ・・・まだ9月までやっているのでもう一度見に行こうと思う。

2008年6月25日水曜日

Market




今日は早朝から少し郊外にあるアンティーク(ジャンク?)マーケットに出かけた。ロンドンに長く住んでいるH君が教えてくれて一緒に車でDさんと、偶然お知り合いになったという日本から丁度来たNさんも合流してみんなで少ドライブ。朝早かったので市内の渋滞も無く40分程で到着。天気も良くて温かい快適な一日だった。到着すると話には聞いていたが、かなり大きな規模で行われていて競馬場のような公園の周囲に所狭しといろいろな地域から集まったアンティークやガラクタが並べられていた。月に2度程行われているらしく、おそらく業者や買付けの人もやってきて物色しているようだ。かなり早朝から始まり午後にはすぐに終了していく感じだ・・・・・値段も比較的手ごろで様々なものがある。
面白くて一日楽しめた。帰り際に業者の人にいろいろと聞いてみると、どうやらまだまだ各地で大きなマーケットがいくつかあるとのこと。今後もまた楽しめそうな予感がする・・・・

2008年6月16日月曜日

Degree Shows




先日からロンドンの美術大学ではDegree Show(卒業展)が行われている。Chellsea Callege of Art&Design のDegree show BA(学部)Privete View を見に行ってきた。展覧会の初日はPrivete Viewという日になっていて関係者や学生、先生などが集まってオープニングを行いフリーのドリンクが振る舞われて盛大だ。ブライトン大学でもそうだったが、普段の制作場所をみんなキレイに片づけて新たに壁面などを設置し白く塗って展示する。また学内のスペースをうまく利用したりして展示している。やはり卒展と芸際、オープンキャンパスが合さった感じで一大イベントだ。そして初日はみんなアルコール片手に作品を見ながら会話をして楽しむ。Privete View は3時間ほどで終了だが、その後は適当に散らばってという感じだろう・・・・沢山の人が集まり、学校の中は賑わっていた・・・・ほぼ同時期にGoldSmiths でもDegree Show が行われているので後日そちらの方も見に行ってきた。どちらの学校も作品の内容はかなり幅があり様々だが展示の仕方はスマートにちっとされていて上手くプレゼンテーションされていた。

2008年6月13日金曜日

Academy




「Summer Exhibition 」というRoyal Academy of Artsの展覧会を見た。ピカデリーの一等地にある歴史ある王立アカデミーで毎年その会員の作品やコレクションなどを並べて展覧会をしているらしい。沢山のお金持ちや芸術好きが見に来るようだ。入場料7ポンドもして少し高いな?と思いながら中に入った。さぞかし興味深い展覧会かと思って入場したが何か展示が変な感じ・・・・部屋毎に絵画や彫刻、版画などが分けて展示してあり壁面には2段掛け3段掛けと作品が所狭しと展示してある空間もある。その全ての作品にはキャプションではなく番号がふられていて、どうも展示の仕方が変だ。
入り口でもらったカタログにはその番号と作品のタイトルや値段などが明記されていて、まるでどこかのデパートの展示即売会のようなムード。かと思えば有名なアーティストの作品も掛っていたりする。
どうやら有名なアーティストもアカデミーの会員だったり、またアカデミー会員の画家?(半分素人の人まで)など様々な美術家?の作品が一堂に展示されているようだ。そして版画など手軽な作品はかなり売れていて、いわゆる赤マルが付けられている・・・・それも沢山・・・・・毎年この展覧会を楽しみにしている人がかなりいるらしい・・・妙なアカデミーという世界を見てしまった。

2008年6月12日木曜日

渋滞




今日夕方帰る途中のバスで何やら前方が慌ただしく渋滞していた。大きな叫び声やクラクションを鳴らしながら旗を振りかざして走る車など、あたりがやけに騒々しい。どうやらサッカーに熱狂しているサポーターたちが興奮して道路をふさいでいる様子だ。たしかこのエリアはポルトガル人が多く住んでいる地域なのでポルトガルチームのサッカーの試合が行われているのか?丁度今2008年欧州選手権のユーロサッカーが行われているので興奮した狂ったサポーターが道をふさいでいる様子だ。おかげでバスは通れなくなり、かなりあたりは渋滞になってしまった。
まったく迷惑な人々だ・・・・・・・・・・・・

2008年6月9日月曜日

Basel





昨日までスイスのバーゼルにKさんとH君と3人で出かけ有名なアートフェアを見に行った。天気はほとんど毎日曇りで気温も低く時々雨も降っていて少し残念だったが充実した旅だった。
みんな旅慣れているのでバーゼル空港でレンタカーを借りてフランス側の超安ホテルに3人で宿泊し、毎日車であちこち出かけ、ベルン、チューリッヒなど他のスイスの街にもドライブして満喫。
スイスは比較的小さな国なので車で街を回るにはちょうど良く、さらに高速道路も全てタダ。
またバーゼルはフランス、ドイツとの国境に面した街なので車ですぐに3国を20分程で行ったり来たりできる、ちょっと日本人には不思議な感じだ。通貨もロンドンではポンドを使用し、スイスではスイスフラン、またフランス、ドイツではユーロなので少し面倒くさい。
このバーゼルアートフェアーはヨーロッパ本土での中心のアートフェアーなのでかなり多くの人々とまた出店しているギャラリーもかなりの数だ・・・・もう多すぎて見るのも一苦労。
会場には世界の有名ギャラリーがひしめき合い、その間をグルグルさまよい歩くような感じだ・・・・・そして膨大な数の作品群が数日で売り買いされていく・・・まさに現代美術屋台街といった様子だろうか。街にはメインの巨大な2つの会場があり、一つの会場ではunlimitedと言われエキジビションやトークが行われ、隣のメイン会場には世界の有名ギャラリーのブース形式となっている。また近くには10年程前から始まった別のアートフェアーのLISTE、さらにその後から始まったVOLTAやSCOPEそして今回から始まった?HOT ARTというラテン系のギャラリストたちが主催するものと、年々拡大傾向にあり、世界中からギャラリーがお客様を求めてやってくる。
まさに街中で同時多発的にアートフェアー三昧・・・シャトルバスも出て、しっかりとどの会場にも行けるようにサポートしている。本当にアートずくしの週だが、と同時にサッカーの試合もあり赤い服や顔にペイントしたスイスフーリガンも街には沢山集まって来ていた。
6月4日~7日

2008年6月4日水曜日

Degree Show & Talk



最近は毎日天気が優れない。まるで涼しい梅雨時期のようだ。たまに晴れるとすぐに数日しとしと雨・・・これがイギリスなのだろう・・・・・・・

Royal College of Art (通称RCAと呼ばれている)Degree Show(卒業展覧会)を見に行った。この時期は先日のブライトンと同様にロンドンでも各大学で卒展がいくつか連続的に行われている。大学院ということもあってかなり内容も充実している。やはり学校の中できちっとした展示がされていて、ちょっとしたビエンナーレのようだ。みなさん名刺代わりに自分たちのポストカードに作品とメールや連絡先を印刷してスマートに置いてある。またカタログも当然作成されてはいるが、おまけにプライスリストまであり、すべての作品が販売されている。(すでに何点かはSold Out)やはりここはロンドン、プロフェッショナルな土壌が確立している。

夕方からはChelsea Collegeのレクチャーシアターでのレクチャー参加。リサーチTrAINのCuration and the Transnationalという新しいConversationのシリーズが始まり、新しくInstitute for International Visual Artsの所長に最近なった人でSebastianLopez氏の話。南米アルゼンチン出身で2004年の上海ビエンナーレなど国際的に活躍しているインディペンデントキュレーター。もちろん全て英語なので内容の理解がなかなか大変だった・・・・その後は近くのパブでのイギリス式のビールでの交流会・・・・・
明日からは数日スイスのバーゼルに出かけてアートフェアーを見に行く。

2008年6月2日月曜日

カモメの街ブライトン







ロンドンのヴィクトリア駅から南に列車で約一時間、イギリス海峡に面した人気のリゾートタウンのブライトンに出かけた。以前からお付き合いのあるブライトン大学でのDegree Show(卒業制作展)での学生作品に賞を与えるための審査の仕事だった。日本からのチームと夜ホテルで合流し翌日から各アトリエを回って沢山の作品を見た。こちらの卒展は日本のように美術館などのスペースを借りて行うのではなく学校の普段使用しているアトリエを自分たちでキレイに片づけ壁も白くペイントして展示している。この時期(6月上旬あたりから)ロンドンの学校なども一斉にDegree Showが行われ学校はかなり活気がある。今回は韓国のソウル大学からも2名の教授が招かれていて彼らと一緒に作品の審査をした。作品を見て回るとその学生たちも自分の作品についての説明を熱く語る・・・その後は夕食会と次の日は昼からレセプションでの豪華な昼食会。多くの関係者やスポンサーなどが招待されていてかなりのイベントだ。まさに卒展とオープンキャンパス、学際とが合わさった感じだろうか・・・また華やかな様子とともにかなりプロフェッショナルな部分もあり、後日ビジネスの日まである。デザイン、建築、ファッション、アート(絵画、版画、写真、彫刻・・・すべてのコースが卒業後の社会での仕事に対してのアプローチをしっかり考えている・・・・・・・うちもそろそろ卒展のコンセプトを検討した方が良いのかもしれないと感じた。

そして夜は最大のイベントのファッションショウも盛大に行われた。かなり気合いが入っていて抜群のスタイルのプロモデルが沢山出場し学生作品の服を着てのショウだ。噂には聞いていたが作品もレベルが高く本当にショウも素晴らしいものだった。

滞在途中に一日昼間時間が出来たのでブライトンから東へバスで一時間程の有名な断崖Seven SistersとBeachy Headにも出かけた。セブンシスターズとはユニークな名称だがかなり危険な白亜の切り立った断崖で海岸線にそびえ立つ白い石灰岩の崖だ。7つのうねの様になっていて広い丘の緑と白のコントラストで本当に美しく素晴らしい景色だった。

5月28日~6月1日 
Brighton