2008年12月22日月曜日

K.M.




以前から知っていたが一度も行ったことが無かったので有名なKroller muller museumに出かけた。列車やバスを乗り継いで2時間程かかるので、また少し気合いを入れて早起きして出かけた。このクレラー・ミュラー美術館は広大な自然保護地域の中にあり周囲はDe Hoge Veluwe国立自然公園になっている。そのほぼ中心に美術館が建っていて季節の良い時期であれば無料のレンタル自転車でサイクリングやピクニックを楽しめる所だ。しかし真冬のこの時期なので日照時間も短く、おまけに天気も曇り空なので人影は殆ど無く野外彫刻庭園はかなりひっそりしていた。館名であるヘレーヌ・クレラ―・ミュラー夫人(1869-1939)は同時代を生きたアーティストの作品を数多く集めて20世紀最大のコレクションを築き、この美術館も1939年にベルギー建築家ヘンリー・ファン・デ・ヴェルデによって建設されたものなので、かなり歴史を感じる。美術館のコレクションは近現代美術が中心で特にゴッホの作品を多く収蔵している。またいくつかのテンポラリーエキジビションスペースがあり現代美術の企画展も行われているので古さを感じさせず素晴らしい美術館だ。広大で美しい森林には沢山の野外彫刻作品が設置されていて規模も大きい。日本では箱根彫刻の森美術館や軽井沢のセゾン美術館といった感じだろうか・・・?

2008年12月20日土曜日

AKI




ロンドンで知り合ったアムステルダムに住むアーティストのHさんと交友が深まり、彼女の仕事をしている美術大学を見に行くことになった。ロンドン同様アムステルダムも寒い・・・また一時間の時差があるので更に日が短く感じる。 アムステルダムから早朝2時間ほど列車に乗り、もう殆どドイツとの国境付近の町Hengeloという所にやってきた。ここはオランダなのか何処なのか?といった雰囲気だが、まず今年から開館して間もない新しいアートセンターのakkuH(Aktuele Kunst Hengelo)を見学した。巨大な元テキスタイル工場をまだ現在改装中でギャラリーやワークショップ、アートインレジデンス、ライブラリーなど様々な施設がもうすぐ完成するらしい。やる気満々のディレクターのRさんを紹介してもらい、いろいろと説明してもらって昼食をした。その後は近くのアートカレッジのAKI(ArtEZ academie voor beeldende kunsten Enschede)を見学しに行った。この学校はデザインよりもファインアートが盛んな様子で学生たちの作品も元気で力強く感じた。制作スペースも巨大なガラス張りの吹き抜けで自然光の沢山入る空間にいくつかのコースのアトリエや工房が配置されていてなかなかユニークで魅力的だった。

2008年12月12日金曜日

G.S.




毎日毎日暗くなるのは早いし相変わらず極寒である。でも最近は少し日照時間が戻ってきた気がする。冬至がどうやら過ぎたのか?先週あたりがピークだった気がする?・・・
昨日はロンドン南東にキャンパスのあるゴールドスミス大学を見学に行った。有名なデミアン・ハーストなどターナーショウアーティストも沢山輩出した学校だ。大学院生のA君と卒業生のKさんにいろいろとスタジオや工房を案内してもらった。ちょうどクリスマスホリデー前で大学院生のレビュー展示を行っていて、スタジオは整頓され作品が見やすく展示されていた。院生のスタジオは大きな体育館状(元室内プール)の空間に白い壁でいくつか間仕切りが作られ、そこの各スペースで3、4人が制作していた。なかなか天井も高くて開放感もあり良いスペースだと思った。大学院生は一学年35名程なので結構な人数だ。倍率も10倍程あるらしく世界中から学生が集まってくるらしい。(学費もかなりの金額だが・・・)授業内容はポストモダンや現代美術の理解を中心にしっかりとレクチャーや講義があり、また年に2回ほどチュートリアルがある。そのためきっちり自分の作品について語れなければいけないし、自分の作品についての文章も書かなければならない。そして学生同志の数人のグループに分かれてのディスカッションを行う。時には学生同士でいろいろと作品に対して激しいツッコミがあり議論が白熱するらしい。 このようにして2年間アーティストとしての基盤が作り上げられていくのだろう・・・
作品の内容もバラエティーに富んでいてなかなか面白かったしレベルも高い。また絵画や立体といったジャンルに全く別れていないので個々の学生が自分の作品をかなり自由に制作している。

2008年12月8日月曜日

working



   
12月に入ってもう今年もあとわずか・・・時の経つのは早い。
今月から新たに数人のアーティストとイーストにスタジオをシェアし始めて本格的に制作を開始した。硬質で広い空間だがヒーティングが充実していないので極寒である。毎日がかなり寒い・・・ このエリアは沢山のアーティストのスタジオがありアーティスト人口密度ロンドン№1だろう。古い空きビルを制作しやすいスタジオに改装して使用している。先日もすぐ近くのオープンスタジオのイベントに夜出かけたが、そこでも多くのアーティストたちが制作ていた。まったくアート激戦区ロンドンである。

2008年12月5日金曜日

Art Centre




12月に入りますます日も短くなってきて一日が終わるのが早く感じる・・・
先日からスタジオを一緒にシェアし始めたM君から聞いた画材店のCASSに行ってみた。比較的住んでいる所に近いので歩いてでも行けるので便利だ。丁度この日は学生15パーセント引きだったので店内は多くの若者で賑わっていた。ロンドンには沢山の美術学校があり、またアーティスト人口も多いので画材店も品数が豊富で何でも売っている。最近の円高のおかげで値段がだいぶ安くなった感じがする。CASSはロンドンに数店舗あり丁度オシャレにした島本画材といった感じだろうか。倉庫状のその店舗には自社商品のあるイーストのATLANTIS画材店より小奇麗に商品が並んでいる。
アメリカの立体アーティストの巨匠Richard Serraの新作展示がGagosian Galleryで行われている。巨大な鉄板のミニマルな作品は圧倒的な存在感とそのとてつもない重量で広大なギャラリー空間を埋め尽くしていた。いったいどうやってこのギャラリー空間に設置したのだろうか?想像するだけで怖い・・・その巨大で歪んだ鉄板の間を通り抜けると、まるで自分が小人になったような感覚だ。ロンドンでの久しぶりの新作展示でかなり力の入った物凄い作品だった。その後はChalk Farm にある176というアートセンターで1970年代生まれ中心のSculpture and installationグループショウMATERIAL PRESENCEを見て、次はFinchley RoadにあるCamden arts centerに行ってのアート三昧だった。
http://www.cass-arts.co.uk/
http://www.gagosian.com/exhibitions/britannia-street-2008-10-richard-serra/
http://www.projectspace176.com/

2008年11月30日日曜日

50 million pounds




最近のロンドンは日も短くなって、かなり寒くなってきた。朝はやっと8時頃から明るくなり始め夕方は3時頃からすぐに暗くなるので一日が短く感じる。毎日曇りや雨でここ数日太陽を見ていない。おまけに外は冷蔵庫の中を歩いているように寒いので何処かへ出かける気にもならない・・・・・・
久しぶりに昨日はナショナルギャラリーに出かけ、先日から話題になっているTitian(ティツィアーノ)の名画を見にいった。最近話題になっている話で長らく展示されていたルネッサンス期のイタリア画家ティツィアーノの名画「Diana and Actaeon」がどうやらナショナルギャラリーから流出することになるらしい。この作品はスコットランド国立博物館とロンドンナショナルギャラリーに長期で委託展示されていたらしいが、実は個人の伯爵所有のもので、何かの理由で本人が売却したいらしい。しかしその金額は50万ポンド(約75億円)なので半端ではない。すんなり美術館が購入しようと思ってもそう簡単には行かないはずだ。購入先が決まらない場合はオークションとなり、何処の誰の所に行くか分からない事になるだろう。そのため、みなさんの名画で国民の美術館なので、この作品を救済して今後も何時でも無料鑑賞出来るようにしましょうという事だ。そのためイギリスの沢山のアーティストも賛同してキャンペーンを行いながらその救済募金を行っている。このキャンペーン展示も11月末から12月14日まで延期され寄付金を毎日募っているという訳で、年末になんとも英国らしい話だ。その後は気になっていたRoyal Academy of Artsで行われているByzantium 330-1453の展覧会を見に行った。

2008年11月1日土曜日

Rothko



最近のロンドンは凄く寒くなってきた。先日はまだ10月だったのに霰や雪が降り急激に温度が下がってきて真冬なみだ。もう外に出るときにはダウンにニット帽、手袋をしている。
久しぶりにTate Modernに出かけた。春にテートメンバーになったので、どこのテートも一年間何回企画展を見に行っても無料だ。(企画展は通常無料ではなく10ポンド前後のチケットが必要)現在Mark RothkoとブラジルのコンセプチャルアーティストのCildo Meirelesの展覧会が行われている。また吹き抜けのエントランスにはDominique Gonzales-Foersterの巨大なインスタレーションがある。ルイーズ・ブルジョワやアレクサンダー・カルダーなどの巨大立体作品を模してさらに巨大にし、一見するとスチールだが実はプラスチックの様な樹脂素材で出来ている。巨大な映像スクリーンや沢山の二段ベットと絡まって、子供達には大人気だった。
ブラジルのアーティストCildo Meirelesの会場はインスタレーション中心で初期からの集大成といった各時代の代表的な作品群で構成されている。Red Shiftと題された「赤」で統一された家具やオブジェのある部屋やBabelというナムジェンパイク風の古いラジオを沢山積み上げ音やノイズが出ている作品。最後は蝋燭一本の暗い部屋に白いタルカムパウダー(きめ細かい滑らかなベビーパウダーの一種)がどっぷりと敷き詰められ、そこを裸足で歩くなど体感型の作品が多く楽しめる内容になっている。一度に数人しかその部屋に入れないので長い行列が出来てしまい少し面倒だった。
一方Mark Rothkoの展覧会は晩年の絵画作品をフォーカスして構成されている。薄暗い大部屋に、ほぼ同サイズの大きなロスコーの絵画が壁面に少し高く沢山展示され、静粛な空間を醸し出している。ロスコーの空間は何か古いお寺の御堂の奥の様な感じがする。静かにそれらの絵画をじっと長い時間見つめていても具体的なイメージやそのマチエールの表情が見えてくることはない。何かその表面に見ようと思っても中々見えないもどかしさがあり、正体が中々つかめないので、だんだんぼーっとした感覚になってくる。さらに空間は薄暗くなっているので眼球での視覚ではなく眼球での嗅覚といった感じだろうか、以前ニューヨークのMoMAでAd Reinhardtの展覧会を見た時と似た感覚だ。二人とも同時代のアメリカ抽象表現主義のアーティストであり、この種の作品は現場空間である程度まとまって体感しないとその作品内容は十分に堪能出来ない。ロスコーは作品を美術館などに展示する際は同じ壁面に他の作家の作品を展示せず、必ずその壁に1点だけでも自分の作品だけを展示して欲しいと希望していた・・・・
http://www.tate.org.uk/modern/