2008年8月30日土曜日

Romanesque



先日Strafford upon Avonに滞在しながら一日レンタカーを借りてWelsh Borders地方に点在する古いロマネスクの聖堂をいくつか見に行った。ウェールズに近いこともあり、ケルト文化の影響も受け様式はいくつか混在し興味深いものが多い。以前ある雑誌で特集されていて、その内容がずっと気になっていた。今回このイギリス滞在中に見に行くことが出来れば良いと思っていた。ヨーロッパ中世美術の中でもゴシックの緊張感に比べロマネスクはやや緩い感じがし、その古さの中から何か素朴さが見え隠れする感じが好きだ。そんな沢山のロマネスク聖堂がイングランド全土にも散らばっていることは知っていた。
朝一で小型の車を一台借りて出かけたが、どれもがかなり地方の田舎に点在し小ぶりな建物なので見つけるのに一苦労。ましてカーナビなんて便利なものはないのでドライバーズマップを本屋で事前に購入し一つ一つ村の場所をチェックしながら絞り込み何とか一日で予定の6か所を回ることが出来た。またイギリスの郊外は緩やかな丘と平地が続き信号も殆ど無く車で走るのには至って快適。 
現在でもオリジナルで素晴らしい壁画の残っているKempleyのSt.Mary’s Church。Castel FromeのSt.Michael and All Angels’Church 。扉口と建築の細部が素晴らしいKilpeck のSt.Mary and David’s Church。Stretton SugwasとEardisleyのSt.Mary Magdalenes's Church,。現在は廃墟になっているMuch WenlockのWenlock Prioryなどなど・・・・殆どが小ぶりで素朴な聖堂で田舎の小さな村のひっそりとした場所にありロンドンとは対照的だった。

2008年8月23日土曜日

Cornwall




昨日まで少し足を延ばして数日間Carnwall地方に出かけた。Penzance, St.Ivesなどイングランド最西端地域で美しい海岸やリゾートでも有名だが、過去沢山のアーティストたちに愛された地でもあり、テートの分館テート・セント・アイヴスも1993年から完成して、まさにアートと自然が多い地域でもある。 ロンドンから列車で5時間程かかるが以前から一度は行ってみたいと思っていた。シーズンなので町やビーチは人々で賑わっていたが景色の美しさや強い日差しはまさに海岸地帯ならではの素晴らしい雰囲気だった。またフランスのモンサンミッシェルによく似たセント・マイケルズ・マウントという干潮時にのみ陸続きになる孤立した島がある。お昼頃から潮が引き夕方5時頃になると満潮になり始め海水に囲まれ歩いては渡れなくなる。少しモンサンミッシェルより小ぶりだが頂上には修道院として建てられた建築が同様に存在している。丁度歩いて渡れる時間だったので海岸から300メートル程歩いて渡った。ローカルなバスでいくつかの場所を見に行ったり、丁度ペンザンスの近くに知人でもあるイギリス人のP先生が住んでいるので連絡を取って会うことができ、2日程彼の家でお世話になった。毎日天候の変りが早く雨が降ったり晴れたりではあったが満喫した日々を過ごした。

2008年8月13日水曜日

Cathedral




夏でもめっきり涼しい今日この頃・・・・2,3日天気が良いと雨が降り、またすぐに乾燥した感じになる。この頃は気温18度~24度程でかなり過ごしやすいと言うか少し肌寒い。もう夏も終わりに近づいてきたのか・・・
今回の滞在目的の一つに、いくつかの歴史的な古い教会なども見て回ることになっている。早朝からVictoria駅に行き、東に一時間半程列車に乗って目的のCanterburyに出かけた。ロンドンから近いこともあり、このカンタベリーにある大聖堂は英国国教会の総本山で巡礼地である。またトマス・ベケット殺害や様々な歴史的な舞台ともなりエピソードも多い。建築的な観点からみてもロマネスク期からゴシック期、15世紀以降と各時代に継続的に建造され、それらが合わさって現在の聖堂になっているので、大きく内部はいくつかの様式が調和していて興味深い。地下聖堂では貴重なロマネスク時代のオリジナルの柱やレリーフ、壁画などがある程度残っている。たっぷりと午前中は聖堂内部を観察し、午後は時間が出来たのでバスに乗って更に30分程東のDoverにも出かけた。言わずと知れたドーヴァーはフランス側に海を挟んで最も大陸と近い港町だ。この地も先の大戦を始め数々の歴史的な場所である。
その岸壁にあるドーヴァー城は地下トンネルをはじめ、いくたびにも及ぶ戦いの歴史が残されている。長い歴史、ここからイギリス全土に敵の脅威が広がらないようにと砦となっていた。その岸壁からは天気が良かったので、かすかにフランスの地が遠くに見えた。

2008年8月7日木曜日

Room 46




昨日とは打って変わって今日は良い天気。今日出かければ良かったと、かなり後悔したが仕方がない・・・
いつもBritish Museum(大英博物館)の近くを通るので時々時間がある時は無料なのでちょくちょく寄って何度も見に行ったりしている。パリのルーヴル美術館と肩を並べるほど広くて膨大だ。世界中の古代ものからのコレクションがあり(特にギリシャやエジプトものは多い)このての博物館では世界一だろう。館の中は分かりやすく綺麗に展示してはあるが、かなり広いので迷子になってしまう程だ。最近はシーズンなので世界中の人々が沢山やってきてかなり賑わっている。
今回は長くロンドンに滞在しているので贅沢に何度も見にきているし余裕がある。最近では何処に何があるかがだいたい頭の中に入っている。
しかし何時行っても46室のEurope 1400-1800 の展示室だけ開いていない。毎回行くたびに今日は開いているのか?いつ開くんですか?とか聞いてはいるが、なかなか見ることが出来なかった・・・
46室はヨーロッパの中世あたりからのものが多く展示してあり結構重要だと思うのだが、どうして何時も開いていないのかが不思議だ。
今日も少し時間があったので、館に入ると真っ先に案内カウンターの人に少し強めに訪ねてみた・・・「46室は何時も閉まっているけど、今日もまた閉まってるの?見たいんだけど・・・いつ開くんですか?」しばらくすると今日は僕の言い方が良かったのか、やっと思いが通じたのか?大きな体の警備員がやってきて見せてくれると言ってきた。そしてついて行くと裏口の方から通り抜け、古い業務用エレベーターに乗り2階へ上がった。そして裏側から46室に連れて行かれた。今日もどうやら部屋は閉まっていた様子だが僕だけ入れてもらい一人で贅沢にたっぷりと鑑賞することができた。予想通りいろいろと興味深い品々が沢山あり写真も撮らしてもらった。帰り際、警備員に、「この部屋重要な展示室だと思うのだけど、どうして何時も開いてないんですか?」と尋ねてみたが彼も理由は分からない様だった・・・
先日Stoke-on-trentの博物館で会ったSlipwareの梟の兄弟?も僕を待っていた気がした・・・

2008年8月6日水曜日

Stonehenge




最近は日が暮れるのが徐々に早くなってきて、もう夏も終わりかもという感じになってきた・・・
まだいろいろと目的の場所に出かけていないのが結構あるので、夏の日の長く温かいうちに出かけないとまずいと思い、昨日は早朝6時に起き、張りきってSalisbulyに出かけた。ロンドンから列車で1時間半ぐらいで日帰出来る距離。この街からバスで30分程行ったところにStonehengeがある。日本でも昔から有名で、小さな頃から時々テレビや本で見たことがあり、一度行ってみたいと思っていた。
昨日は急いで天気の事を気にせずに出かけたので、案の定、朝から駅に到着すると雨がかなり降っていた・・でもせっかく来たのだからStonehengeを見に行かなくてはと思い、バスに乗って行ったが、天候も悪く気温も低い。結局雨に濡れながらの見学だったので、夏なのにかなり寒かった。また有名な観光地で多くの人が訪れるので巨石の周囲にはロープが張られ、近くまで接近できないようになっていた。もっと直接石に触れたりできると思っていたので少々残念。未だに謎が多くて、やっぱりこの巨石サークルの目的ははっきりしないらしい。広々とした郊外にあり大地のグリーンとのコントラストが美しくてかなり不思議な感じがした。
午後からはSalisburyの街の中心で、シンボリックで天に向かってそびえる様なゴシック建築の大聖堂や博物館などを見に行ったが結局一日中鈍よりしたさえない天気で、せっかくの小旅行はいま一つだった。